ブランディングとマーケティング

2週間くらい前の話。

 

音楽に詳しい人は、あるバンドの曲を聴いて、このバンドはこういうジャンルだ、とか、こういうバンドが好きだからこういう曲作ってんだろーな、とか、こんな機材やエフェクター使って音作りしてるんだろうな、とか、なんとなーく想像がつくんだろうと思うけど、そうじゃない人たちは、どうやって聴いた音楽に対する背景情報を得ているのか、すなわち、どうやったらバンドは客観的に自分達のコンセプトやイメージを外部に伝えられるのか、という話がレオニダ内で盛り上がった。というか、自分が勝手に盛り上がってただけなのかもだけど。

 

勘違いされないように自分たちが思っているままのイメージを外部に伝える。

 

音源を聴いてライブを観てそのまま抱いた印象が全てではあるし、最後は個人の感じ方次第だからそれで良いのだろうけど、共通イメージをバンド側から打ち出して理解するのを助けてあげたり、理解を深めてもらったりすることも大事だと思っている。その為に言葉という記号があるのだろうし、記号がないとぼんやりしたままで誰も自分の意識の擦り合わせを他人とする事が出来ない。

 

バンドに限らず、世の中に出回っている色々な商品も同じで、例えば調味料なんかも、「個々人の感じ方次第だから、かけてみて皆さんが美味しいと感じたものに使ってみてください」だとユーザに対して冷たすぎる。

 

だから、「胡麻油は基本的にはチョレギサラダやチヂミのような韓国系の料理に合うけれど、実はアボガドやササミのような低カロリーの素材やパクチーとの組み合わせも味を引き出して美味しくなる」みたいな、発信元からの助言で持っている個性だったり、味だったりをより一層引き出してあげて、新しい気付きを与えてあげる事も大事なんじゃないだろうか。

 

そういった発信元からの発信物に対する強い意思。

 

それがブランディングなんだと思う。

 

だからブランディングは商品を世に出すに当たって絶対に必要だし、マーケティング、つまりその商品を気に入ってくれる人を探す活動もユーザとのコミュニケーションにおいて欠かせない役割を担っている。ユーザとのコミュニケーションから商品を改良してより良くする事も可能だし、良い商品だけ、自分が納得する商品だけを作っていれば良いというのは独りよがりの自己満になりかねない。

 

こちとらユーザの何百倍も商品のことを考えているからユーザに対する新しい気付きを与えられるし、助言も出来る。

 

意外とこのことを考えないで良いモノだけを作っていれば誰かが気付いて世の中に広まるだろう、みたいな発想をしている人は多いんじゃないだろうか。ものづくりの国っぽい考え方だ。

 

でも、そうじゃないって考える人が多くなってきているのも事実。

 

発端はレオニダの世界観をどうやって記号化したら外部に伝わりやすくなるのかを学びに本を探しにいったのだけど、ブランディングマーケティングに関する書籍はいっぱい発刊されていた。

 

今回読んだのはこの3冊。

「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる 共感から始まる顧客価値創造

「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる 共感から始まる顧客価値創造

 

 

ニューヨークでコンサル会社JOYWOWを設立し、消費者目線でのブランディングを得意としている阪本啓一さんが商品のブランディングについて分かり易く説明していた本。ユーザとのゆるーい繋がりの中でいかに商品の世界観に共感してもらうか。ニーズが多様化し細分化されすぎた現在だと、商品がいいから買うのではなく、商品の世界観への共感や喜びといった熱がユーザに伝わるから商品を好きになって、結果として届くべき人の元に商品が届いている。らしい。

 

印象的だったのは、なんの知識もなく、一人でカフェを始めた女性のお店の話。

 

「料理の説明もぎこちない。それでもカウンターにいる私や他のお客様は、彼女を応援しようという気になる。それは、彼女のあり方が素直で、一生懸命だからだ。「やり方」は多少難あれど「あり方」が素敵だから、応援したくなるのである」という一文。

 

一生懸命試行錯誤して泣いたり笑ったりしているその姿自体がもはやブランドなんだというこの考えも、在り方もとても素敵だ。仕事も本来はこうあるべきで、周りの人を巻き込んで、参加している皆が楽しいと思って熱を帯びて成長・発展していくものなんじゃないだろうか。文化祭の前夜のノリというか。

 

熱が外に伝わっていく過程を仕事にできるなんて大変だろうけど絶対楽しいと思う。

 

もう2冊はマーケティングの本。

どうすれば、売れるのか?―――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方

どうすれば、売れるのか?―――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方

 

 こっちは富士フィルムリクルートサイバーエージェントを渡り歩いてきた小暮太一さんの本。すごく読み易い文章を書くな、と思っていたら、5年くらい前に読んだ「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか」もこの小暮さんの本だった。

 

売れるものには法則がある、というのがこの本のコンセプト。

そう考えると商品起点の本なのかもしれないけど、伝え方で売れるかどうかが変わるみたいなので、やっぱりマーケティング起点。

 

売れるコンテンツには4つの特徴があるそうで、ベネフィット(Aだった人を本人が望んでいるBにさせること)・資格(あなただったらちゃんとしたことを教えてくれそうだ、と思ってくれる妥当性)・目新らしさ(他とちょっと違う差別化)・納得感(言われてみて確かにそうだと思わせる妥当性)の4つ。

 

この4つは商品そのもののことじゃなくて、商品が持つコンテンツ、つまりは商品に秘められた効用みたいなもので、この魅力をいかに上げるかが商品拡販のポイントだそう。

 

「私はこれが出来る!」ではなく、「あなたはこうなる!」を打ち出す商品が売れる。つまりここでも作り手の独りよがりな商品じゃダメだって事のようだ。

 

最後に小暮さんが、「好きな事=お金を使っている事が一番ビジネスになり易い。自分が消費者としてこれまでお金を使ってきたことをしよう」と言って締めているのだけど、これに競合の要素(その分野がブルーオーシャンなのかレッドオーシャンなのか)が加わったら完璧なんだろうなと感じた。好きな事に精通するのが最も理想だけど、競合が多かったら結局は辛い戦いになる。だから相対的に行けるのか行けないのか、マーケットを分析する事も大事なんだと思った。だから森博嗣さんがどこかで書いていた「得意な事でお金を稼いで好きな事にお金を使おう」という発言は理にかなっているよね。

 

営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて

営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて

 

 

こっちはゴリゴリの営業の本。

野村證券トップセールスを叩き出した後に独立した冨田和成さんが書いた本。

見込み顧客のターゲッティングからクロージングまでの各段階におけるアプローチの仕方を細かく解説している。

 

営業の要素として重要なのは、小暮さんの本同様ここでも4つしかないそうで、

 

・仮説思考力(こういうニーズがあるはずだからこう攻めようと戦略を立てる能力)

因数分解力(定量的な数値を分解して一つの具体的な行動に落とし込む能力)

・確率論的思考力(営業は確率の世界でしかないのでどれだけの数をこなすか)

PDCAを回し続ける力(期日、定量化、具体化)

 

の4つだそう。

 

この4つ、書いてみると簡単だけど、実際に回してみると結構しんどい。

なぜなら販売相手の顧客が必ずしも合理的な相手ではない。人間だからだ。

 

だからこそどの顧客層にアプローチした方が確率論的に最も効率よく実績を上げる事ができるか、顧客をどうやって説得するかよりかどの顧客を説得するかの方がより重要かという事が読んで取れる。結局は野球の打率のようなもので、地道な積み重ねでしかないのが営業。その成功要素を定量化出来るか出来ないかが、成功のポイントなんだろうと思った。あとはそのプロセスをいかにモチベーションを維持して、楽しんで出来るか。

 

営業って世間的には一番感情的な仕事だと思われるけど、実は合理的な分析とアプローチで成果が上げられる仕事なのかもしれないと感じられるような内容だった。

 

商品起点の考え方が強い中で、上で書いたようなブランディングだったりマーケティングだったり。商品起点以外の考え方に重きを置いて活動すれば少しは差別化出来るんじゃないかって思っているのだけど、実際どうなんだろうか?試してみるしかないのだけど。

 

本当、戦略って大事。

 

でね。この話がどこに着地するのかというと、実は下北沢のモナレコードさんでレオニダのCDを取扱って頂いたのです。

http://www.mona-records.com/shop/item/post_508.php

 

取り扱いに当たってどうやったらレオニダの世界観を上手くリスナーの方達に伝えられるか。

 

上で書いたようなことを基にメンバーで話し合って、最終的にボーカルのつよしくんとマネージャーのパヤくんが内容をまとめてくれました。色々な説明を削ぎ落とされて、とてもストレートにレオニダの世界観が伝わる文章になったと思ってます。どうでしょうか??

 

1st Album 「変身」について

 

ズレているあなたへ

自然に笑えない、うまくやれない、毎日楽しいわけじゃない。
変わらない、変えられない、何もしたくない夜もあって、それでも明日は来る。

自分は自分でしかいられない。

だから、僕たちにしかできない音楽を。
あなたも、あなた以外の一切がどうでもよくなるような
かけがえのないものを見つけて欲しい。

 

そんな閉塞感を打ち破る一枚。

 

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レオニダについて

 

UKロック、ガレージ、ニューウェーブなどを
ベースとしたサウンドが特徴的な4人組ロックバンド。


下北沢CLUB Que、下北沢BASEMENTBAR、
Zher the ZOO YOYOGI
といったライブハウスを中心に活動中。


とにかくかっこいい。そしてやさしい。

 

甲本ヒロトが和製オルタナティブを歌っている感じ …友人談」

 

 

さて。次回は21日の土曜の昼に新宿のJAMで中井設計さんの企画にお呼ばれしました。

設計さんが作ってくれたイカしたHPもあるので、チェックしてみてくださいね。

http://nakaisekkei.com/nakaisekkei/171021jam.html