ハローモントリオール

 

伝説の証 ~ロック・モントリオール1981&ライヴ・エイド1985 [Blu-ray]

伝説の証 ~ロック・モントリオール1981&ライヴ・エイド1985 [Blu-ray]

 

 太宰治が中学高校時代の思春期のことを「純粋ごっこの時期」と呼んでいて、この利害関係も何もない時期にしか心から許せる友達は出来ないと言っているのだけれど、音楽も同じで、この時期に聴いた音楽に結局後の人生も影響を受け続けちゃってる。その後の人生でどんなところを経由したとしてもこの頃に響いた音楽を踏んでいる以上、語れることは多い。

 


Twitterでピッピスタアのスギヤマさんから教えてもらってクイーンの81年モントリオールのライブDVDを購入した。きっかけは家で観ていた86年のウェンブリーライブをツイートしてから。

 

ラスト・ツアー/クイーン1986 [DVD]

ラスト・ツアー/クイーン1986 [DVD]

 

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クイーンにはとにかく思い入れが深い。

 

日本のCMでもドラマ主題歌でも多用され続けているクイーンの楽曲。クイーンのベストアルバム、Greatest Hits vol.1は30年近く英国のチャートTOP100にランクインし続け、マイケル・ジャクソンビートルズプレスリーに次いで世界で4番目にセールス枚数の多い伝説のバンドである。勿論マイケルもビートルズも好きだけど、クイーンのアルバムを初めて聴いた時の感動は凄まじかった。

 

クイーンをがっつり聴き始めたのは少し遅くて高校2年の時。

 

当時ウチの父が危篤だったこともあり誰も家に居ないので、母の友人の家に泊まらせてもらった事があった。この方の旦那さんはレコード会社に勤めていて大量のレコードとCDを持っていたのだが、ビートルズグランド・ファンク・レイルロード、T-レックス、ジェフベックの並びにクイーンの「IN VISION」という日本版のベストがあって。聴かせてもらった中で酷く印象に残り、そのCDだけを持ち帰らせてもらった。泊まった晩、布団の中で永遠とこのアルバムを垂れ流しにしてた。

 

 

クイーン・イン・ヴィジョン

クイーン・イン・ヴィジョン

 

 

 このCD、日本の有名なCMで使われたクイーンの楽曲だけを収録したベストで、おそらく今は廃盤なんじゃないかと思うけど、このディスクで聴いたボヘミアン・ラプソディにとてつもない衝撃を受け、そこからクイーンのベストを聴き漁り、この年の夏休みは本当にクイーンばかり聴いていた。ハマりにハマりすぎて、友人と公園でオールした夜中にはRadio Ga Gaを大声で叫び(そして吐き)、音楽の授業でのプレゼン課題では86年ウェンブリーでのライブからボヘミアン・ラプソディを独りよがりに力説し、高校から予備校に向かう自転車に跨りながら何度となく地獄へ道連れやSave Me、アンダープレッシャーを聴いた。

 

洋楽のロックバンドにしては珍しくコードを多用しメロディアスで邦楽的な親近感があり、フレディがピアノで作曲している事も大きいけれど、2000年以後に聞いても70年代の古めかしさを感じさせないサウンドと展開のダイナミズムはとにかく衝撃で、70年代の3大ロックバンドのKISS、エアロスミス、クイーンのどれも大好きだけれど、クイーンには別格と言わんばかりのスケールのデカさを感じざるを得ない。皆そうだと思う。とにかく迫力が違う。

 

もう1つクイーンの凄い所は、メンバー間のバランスが絶妙なところ。大半の楽曲をフレディとブライアン・メイが作曲してるかと思いきや、2人では作曲し得ないようなところをしっかりジョン・ディーコンとロジャー・テイラーが抑えている。

 

地獄へ道連れがジョン作曲、Radio Ga Gaがロジャー作曲なのがまた絶妙で、4人が均等に点を支え、フレディの爆発力でもって何十万人という観客を沸かせる楽曲は本当に一度見たかったと悔やまれる。言葉に出せば出すほど好きで仕方ない気持ちが溢れる。

 

個人的にカッコイイとギャグは紙一重だと思っていて、めちゃくちゃカッコイイのにカッコイイを通り過ぎて笑えるアーティストはマイケルジャクソンとX JAPANYOSHIKIとクイーンのフレディだと勝手に決めつけている。あれだけ凄い歌唱力とカリスマ性を持っているのに、アンコールではベティのプリントされたタンクトップを着て、ゲイ丸出しの上裸でギャランドゥー全快のホットパンツ一丁の出で立ちは何とも形容し難く、でもそれがフレディだし、もう色々通り過ぎてでもめちゃくちゃカッコイイのである。

 

 

今回買ったモントリオールのライブを観てもやはり期待は裏切らなかった。油が乗り切っている4人がそれぞれのセットリストで個性を爆発させている。誰が観ても「凄い」と思うライブだろう。

 

今更クイーンの凄さをこんなに長々と書くこと自体少し恥ずかしいけれど、モントリオールのDVD買ってから、74年のLive at the Rainbowや今まで深く聴いていなかった部分も漁り始めている。

 

王道はやはり王道で、大勢の心を掴む何かがあるのだろうな。