元役員様

風邪3日目。

 

そろそろ症状にも慣れてきたが、薬の副作用が風邪を上回る。眠い。外の雪も雪かきと快晴な太陽のおかげでだいぶ溶けて来たようだが、その分、道端には大きな雪の塊が出来ている。

 

我が家のアパートの玄関には野良猫が2匹居座っている。アパート名の書いてある看板下は彼らにとってなぜか休憩所になっているようで、出掛ける度に丁寧に糞がしてあるのだが、彼らにとってのトイレも雪のおかげで見る影もなく高い壁になってしまった。彼らは今どこで用を足しているのだろう?道中が水洗トイレのような状況じゃ、猫も用の足し甲斐がなかろう。

 

と、まぁふらふらな身体を背負い出社したのだが、午後はこれから商談をやっていく上で一緒に組まなければならないパートナーさんとの打ち合わせだった。

 

ざっくり要約すると、お客さんが弊社も所属する大きな資本母体に買収された為、お客さんの買い物にも親会社が介入するようになって資本母体内の会社から物を買うよう役員から指示が出てしまった。そこで弊社から買って貰うように話を持ち掛けたのだが、あいにく弊社だけではその物を売ってもサポートする力が無いので、同じグループ内でそれを専門にやってる会社さんとタッグを組もうという段取りになったという話。

 

昨日は現場レベルでの1回目の打ち合わせで、どういう体制でやってくかのお話をする予定だったのだが、面倒くさい事にこのパートナー会社の営業のシニアマネージャーが元お客さんの会社の役員で、お客さんの会社からこのパートナー会社へ転籍して営業をしている。つまり年齢も50代。役員もご経験されてるので、上から物を言う偉そうなおじさんだったのだ。

 

お客さんの現場も我々も、今直ぐにでもやらなければならない買い物があって対応しなければならないのに、この元役員様は大風呂敷を広げて、「個々の対応はあなたたちに任せて我々は基幹の大きな所をリプレースする為に派遣で客先に人を出して勉強してるのだから、個々の対応に構っている場合ではない」と言う始末。

 

個々の対応とその後の対応と、買い物が分断している訳ではないのに、全く話は折り合わない。並行線のまま2時間半が経過し、余りにも同じ話しかしないので、元役員様が連れて来た部下も変な空気ににやけてしまっている。元役員様はお客さん先に居たことがあるので、お客さんのキーマンを名指し敬称略で、「まぁ、あいつらの気持ちも分かるんだよ、オレは。あの会社に居たことがあるから」と声高々に話していた。

 

結局何もまとまらず。まとまらなかったよ、という内容だけお客さんに報告する事になった。

 

元役員様だから偉いのであろう。声も大きいし、会って2回目なのにタメ口。威圧的な態度は流石であるが、こういう典型的な「偉そうな」人は一体どうやったら生産されるのだろう?どうも日本の大企業てのは、空気を読まず声だけ大きくてゴルフが好きな人が出世する傾向にある。みせかけ資本主義とはよく言ったものだ。

 

今、次のグレードに上がる為の研修とやらを受けているのだけれど、そこには「部下へ権限を委譲し、自発的に業務を遂行させるのが管理職の役目」と明記してある。空気読まないおじさんは部下への自律を支援するどころか、発言の機会を与えず、声高々にあれやれ、これやれを連呼するだけ。どうすればいいかだけ「自発的」に考えさせる。多分こういうおじさんを矯正する為に今受けている研修のテキストが出来上がったのだろう。

 

今後の進め方は、この元役員様を上手く省いて部下の方達だけと内密に打ち合わせし、彼が知らない所でお客さんも巻き込んで既成事実化させて完結なのだけど、それで我々よりいいお給料貰って家とか車とか持ってるてのは、どうも納得がいかないなぁ。このおじさんだけでなく弊社のおじさんたちも同上として。

 

そんなものなのだから、鬱とか心の病気になったらバカバカしいよ。声大きくて話の主語がいつも一人称で始まる人が偉くなる社会なのだから。