眠れなくなる宇宙のはなし

 

眠れなくなる宇宙のはなし (宝島SUGOI文庫)

眠れなくなる宇宙のはなし (宝島SUGOI文庫)

 

 1月はこの本でおしまいかな。

高円寺のヴィレッジ・ヴァンガードは、店の2F奥が廃墟・旅行・哲学宗教の並びになっていて、宗教と言ったら宇宙でしょ?という感じでこの本が隅っこに置いてあった。

 

宇宙の話なので、成り立ちや地球以外の恒星、惑星、衛星、または太陽系が属する銀河やそれよりもっと広い範囲にある星の話が学術的に書いてあるのかと思いきや、「文明史以降、人類がどうやって宇宙と関わってきたか」の歴史が記してある本だった。

 

天文学は物理や数学と密接に関わっているイメージだったけど、この本ではその理系的な部分をとても分かりやすい文章で論じてくれていて、内容からも、歴史の教科書を読んでいるような気分だった。その為、夢中で読みふけり、買って1日で読めるほどスラスラと頭の中に入って来た。

 

 

なぜ、宇宙は出来たのか?

 

この根源的な問いに答える為、古代から人類は太陽や月を始めとする空の星を観察し、暦を作り文明を築いてきた。

 

勿論、現代のような高度な理論も望遠鏡もない古代では、現在の、何億光年もある広大な宇宙は概念的に存在せず、肉眼で見えるレベルの小さな宇宙しか人々は意識していなかった。また、宇宙は神が創ったものだ、という観念も強く、原子・分子レベルで宇宙を科学的に証明していくのは近代、ルネサンス以降になる。

 

人類が住む大地を中心とし、神が創った無限の空の世界は天使が動かしているとされるような「天動説」はルネサンス以降、ニュートン万有引力の発見により「地動説」に代わり、更に近代、時間と空間は一体ではなくねじ曲がるとするアインシュタイン相対性理論によって、宇宙は無限ではなく有限に膨張を繰り返していると発覚する。

 

有限であるなら、最初の誕生の瞬間はいつなのか?どうやってその瞬間がやって来たのか?古代から続く根源的な問いは未だ完璧に決着が付いていない。しかも、科学技術が進んだ現代に於いても、宇宙を構成する元素はたった5%しか解明されておらず、残りは「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」と呼ばれ、今なお観察と研究が進められているらしい。

 

宇宙の研究は専ら天文学なのかと思いきや、数学・物理学・宗教哲学と、人類の文明の進化そのものを体現している事が、この本を通して伝えたかったことのようだ。

 

それでもわからないことだらけ。

 

本では、それを球体の体積と表面積との関係に例えていた。

 

知識の球体があって、体積が増えれば増えるほど球体は大きくなるが、その分、外界の未知と接地する表面積も大きくなる。

 

 

宇宙の研究って途方も無い人類の夢らしい。

 

だけど、人類は立ち向かう。

アインシュタインは「この世で最も理解不能なこと、それはこの宇宙が理解可能なことだ」と言っていた。

 

こんなめちゃくちゃ広大な宇宙のほんの片隅の小さな存在である人類が、理論と技術で宇宙の解明に立ち向かっていること自体が、夢というか、壮大なロマンがあるなぁ、と感激した。そういえば、藤子・F・不二雄の短編集を読んでるのと同じような気分になった事を思い出した。

 

 

宇宙に想いを馳せるなら、やっぱり夜の方がいい。

 

夜中の4時に読み終わったので、本のタイトル通り、まんまと眠れなくなってしまっていた自分がそこにいた。