独り暮らし。

独り暮らしになって最も変わったと感じられるのは、自由で静かな時間が増えたことだろう。

 

家事も好きな時間にやればいいし、宅録も好きな音を出し楽器はそのままにして翌朝を迎えられる。片付ける必要がない。逆に何もしなければ空間には音すら存在しなくなる。聴こえるのは外を通り過ぎる車のタイヤが車道と擦れる音。隣の小学校に植えてある樹々が風で揺れる音。それだけ。もしこのまま働くこともバンドも辞めたら完全に世の中と隔離されてしまう。そんな気さえする。まるで最初から存在しなかったかのように。

 

宅録は面白い。大変だけどやり甲斐がある。誰にも報いて貰えるものではないけど。シンセの音1つ選ぶにも時間がかかる。結局しっくりくる音がなかったから、メロディだけ声をそのまま録ってまた次の機会に探すことにする。これも誰かと住んでたら恥ずかしくて出来ない。スマホのスピーカーに口を近づけて声だけ重ね録りしてるのなんて奇妙な光景だ。

 

すべてが自分の時間。

だから自ずとやりたいと考えることも増える。

 

科学的、医療的発達で平均寿命はどんどん伸びている。数十年後に人生は100年時代に突入するらしい。国も定年も70歳まで伸ばすのかなんて議論をやってるらしい。

 

だから上の世代がどんどん詰まる。下はまだまだ上には進めない。有限なのに勝手に時間が増えたような錯覚になる。いつ死ぬかもわからないのに。だから空いてしまった時間を使う。

 

 

もう人生がすべて余暇みたいになってしまった。文字通りの余暇。隔離されたこの世の中は誰かしらの暇潰しの集合体で成り立っている。